月曜日は、毎週、物理のたとえ話を紹介します。
今回は、数学の確率と物理の意外な?共通点についてお話します。
〔問題〕----------------------------------------------------------------
袋の中に、親玉と悪玉という2種類の玉がそれぞれ4個ずつ入っています。
その中から3つの玉を取り出すとき、少なくとも1つ親玉が含まれる場合の数を求めよ。
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親玉ってどんな玉?、悪玉ってどんな玉?というのはみなさんのご想像におまかせします。
ちなみに、僕は問題を作ってから、いろいろとイメージを膨らませてしまいました。
でも、それは置いといて、ここで僕が言いたいのは、この問題を解く方法は2つあるということなんです。
1つ目の方法は、場合分けをして真正面から直接的に求めていく方法です。
(場合分け1)親玉が1個のとき
(場合分け2)親玉が2個のとき
(場合分け3)親玉が3個のとき
と3つに場合分けして、それぞれの場合を計算し、その後、足し合わせていく方法です。
3回も計算しなくてはいけないので、めんどくさそうです。
2つ目の方法は、
問題で問われていない、「残り」を求めていく方法です。
ここでは、親玉が一つも含まれない場合を計算します。
なぜ、その方法で答が求まるかというと、合計8個の玉から3つの玉を取り出す全場合の数を、
簡単に計算することができるからです。
全体を計算してから、親玉が含まれない場合を引き算すれば、答を得ることができます。
(親玉が少なくとも一つ含まれる場合)=(全体)-(親玉なしの場合)
という計算です。こちらは、簡単そうですね。
全体についての情報が簡単に手に入る場合は、直接的に計算するだけでなく、
全体から引き算して求めてく方法も取ることができます。
2つの計算方法のうち、簡単な方を選べばよいのです。
物理にも、同じような話があります。
仕事やエネルギーを求める場合は、必ず2つの計算方法があるのです。
どんな場合でも、
全体については、エネルギー保存則が成り立っています。
ですから、直接的に仕事やエネルギーを計算する方法だけでなく、エネルギー保存則を使って、
間接的に計算する方法が必ずあります。
必ずあるんですよ。
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ですから、2つの方法をちゃんと思い浮かべてから、簡単な方を選びましょう。
やみくもに一方を選んで突き進もうとすると痛い目にあいます。
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【物理たとえ話16】直接的に求める?間接的に求める?
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