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Channel: 究極の物理勉強法~たとえ話と微積分で高校物理が楽しくなる
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【物理たとえ話25】家族対抗!回転すし早食い大会

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月曜日は、毎週、物理のたとえ話を紹介します。


今日は、ドップラー効果についてのたとえ話です。

目の前を救急車が通りすぎるとき、通り過ぎる前は、

ピーポー!ピーポー!ピーポー!(高い音)

通り過ぎると、

ピーポー!ピーポー!ピーポー!(低い音)

と、音が変わりますよね。

あれが
トップラー効果
です。

停車している救急車の横を、車で通り過ぎても同じように音が変化します。

このドップラー効果の仕組みをたとえ話にしてみました。

それでは、たとえ話モードに突入!


★たとえ話★


今日は、家族対抗!回転すし早食い競争の日です。

参加する山田家と谷口家には、それぞれ秘策があるようです。

ルールは、次の通りです。

各家から代表者1名を選び、1対1の対決を行います。

各家の代表者は、それぞれ別のベルトコンベアの前に座ります。

その上流には、それぞれ、同じペースで寿司を握る寿司ロボットがいます。

寿司ロボットの下には車輪が付いていて、移動できるようになっています。

また、代表者の座る椅子の下にも車輪がついていて移動できるようになっています。

寿司ロボットが一定の間隔で並べていく「マグロにぎり」を、
3分間でたくさん食べられた方が勝ちです。

最初の2分半は、椅子や寿司ロボットを固定していなくてはなりませんが、
残り30秒をきると、椅子や寿司ロボットを家族が移動させることが許されています。

ここに、戦略を立てる余地があるのです。

山田家の代表は長男の太郎です。

谷口家の代表は次男の耕太です。

2人とも大食い自慢です。

ピストルが鳴ってスタートしました。 

寿司ロボットは、一定の間隔で、

マグロ!         マグロ!         マグロ!

と、寿司をおいていきます。

それを、太郎と耕太は一定の間隔で、

マグロ!         マグロ!         マグロ!

と口に運んでいきます。


どちらも余裕の表情で寿司を食べ続け、2分半が過ぎました。

ここで山田家が動きました。

家族が力をあわせて寿司ロボットをゆっくりとベルトコンベアに沿って、
太郎の方へ動かしていきます。

寿司ロボットが並べるマグロの間隔が狭くなりました。

マグロ!   マグロ!   マグロ!

太郎が食べるペースが上がります。

マグロ!   マグロ!   マグロ!

山田家が、2個のリードです。

残り10秒で谷口家が動きました。

家族が、耕太の椅子をベルトコンベアの上流に向けてゆっくり移動させていきます。

耕太の食べるペースが上がります。

マグロ!   マグロ!   マグロ!

重くて動かしにくい寿司ロボットに比べて、体重60キログラムの耕太を動かすのは簡単でした。

谷口家が山田家を逆転し、3個差で山田家が勝ちました。

谷口家の戦略が、山田家を上回ったのです。


★たとえ話終了★


ドップラー効果は、2つの仕組みの組み合わせで理解することができます

まず、波源が移動すると、波長が変化します。

これは、寿司ロボットを移動させると、並べられたマグロの間隔が変化するようなものです。

波長が変化すると、それを受け取る観測者の聞く音の振動数が変化します。

次に、観測者が移動すると、相対音速が変化します。

これは、谷口家の耕太が、ベルトコンベアに沿って移動したことによって食べるペースが上がったようなものです。

耕太からみたベルトコンベアの速さが速くなったのです。

このように、波長と相対音速が変化することによって、

(振動数)=(相対音速)/「(波長)

で計算される振動数が、結果として変化するのです。


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