田原です。
こんにちは。
先日、『教材設計マニュアル』という本を読んでいたら、心理学者ジョン・B・キャロルの次の言葉が引用されていました。
「すべての学習者は、その人にとって必要とされる時間をかければ、すべての学習課題を達成できる」
これを読んで、今までやってきたことの土台が明確になったような気がしました。
通常は、生まれつき能力差があって、「できる生徒」と「できない生徒」がいるから、学校の成績に差がつくというように考えられていることが多いと思います。
でも、キャロルは、この考え方を否定するんです。
彼は、能力差があるということは、学習できることの限界レベルが違うということではなく、学ぶのに必要な時間が一人一人違うということなのだと主張します。
つまり、その生徒にとって必要な時間をかければ学ぶことができるんだということです。
しかし、学校では、全員に同じ時間しか与えないので、その時間では十分でない生徒は十分に学ぶことができず、成績に差がついてしまいます。
でも、それは、それぞれの生徒にとって十分な学習時間が与えられていないからに過ぎず、根本的な差ではないと言うのです。
キャロルの言葉を読みながら、過去にフィズヨビで学ばれたたくさんの方のことが思い出され、うなずきながら読みました。
真っ先に思い浮かんだのは、フィズヨビを始めたころの受講生のアナログ2号さん。
彼は、定年後、電験3種を取ろうと思ってフィズヨビで物理の勉強を始めました。
物理や数学の学習に大きなブランクがあったので、分からないことだらけだったと思います。
しかし、武術家でもあったアナログ2号さんは、「反復すること」の重要性を、深く理解していて、講義を7回も8回も繰り返して聞き、体に染み込ませるように
勉強しました。
その結果、合格率が1割以下の難関資格である電験3種に見事に合格!
理論分野を根底からしっかり理解して、見事に合格点を取りました。
当時のコメントを引用します。
●アナログ2号さん
田原さま何時もお世話様です。
はじめての物理講座のアナログ2号です。
三角関数・7回目終了しました。
今回でやっと三角関数とはこんなものなのかと分かってきたように感じました。
Q&Aもすごく参考になりました。
私などはそうかそうか…と分かったつもりで通り過ぎてしまう所を、
しっかりと疑問に感じる人もいて、実は私も理解していない箇所でした。
田原先生そして、疑問質問をだして下さった方々ありがとうございました。
進み方は牛歩のごとくですが、あせらずについていきたいと思っています。
「三角関数・7回目終了しました。」って、さらっと書いていますが、すごいことです。
経験を通して、反復の効果を確信していなければ、できないことです。
また、このような勉強法ができるのは、ネット予備校ならではのメリットですね。
生身の僕は、一人一人に7回も8回も同じ授業をすることは不可能です。
しかし、僕の分身である「動画講義」なら、みなさんの自宅に行って、何回でも同じ話を繰り返して説明することができます。
それぞれが学び終えるのに必要なだけ、説明し続けることができるのです。
学校で物理を勉強して、理解できなかった方は多いと思います。
説明が合わなかったことが原因かもしれませんが、学び終えるのに十分な時間が与えられなかったことが原因かもしれません。
フィズヨビでは、皆さんが学ぶのに必要なだけ、何度でも講義を繰り返すことができます。
自分のペースで進むことができるというのは、本質的に重要なことなのです。
教材設計マニュアル―独学を支援するために/北大路書房
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自分のペースで学べることがなぜ重要か
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