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Channel: 究極の物理勉強法~たとえ話と微積分で高校物理が楽しくなる
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予備校で出会った「物理」に感動

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当時の駿台予備校には、TVにも出ている数学の秋山仁さんをはじめ、有名な人気講師がいました。

彼らの授業はとても面白く、授業時間があっという間に過ぎていきました。

楽しみにしていた物理は、『新・物理入門』の著者で、現在も駿台予備校で主任をされている山本義隆さんと、故・坂間勇さんの授業を受けました。

こういう授業を受けたかった

はじめて2人の授業を受けたときに思いました。

やっぱり、物理は面白い。

物理を嫌いにならなくてよかった。

本気で「理論物理学者」を目指そう。

モチベーションが、とても高まりました。


予備校から帰ってきて夜の12時まで復習し、朝5時に起きて、その日の授業の予習をするというペースを1年間守って勉強しました。


しかし、京都大学への道は遠く、夏休みを過ぎてもE判定のまま。


物理は、徐々に成績が上がってきましたが、数学の成績が、なかなか上がりませんでした。

前期の授業の内容はすべて理解でき、何回も復習して定着しているはずなのに、模擬試験になると点数が取れないのです。

結果が返ってきて、解説を読むと理解できるのですが、試験の場で、自力で解けないんです。

これまでの勉強法では、

「分かるけど、解けない」

という壁を乗り越えられないという気がして、焦りが出てきました。

そんなときに、秋山仁さんが授業中に言った

「式変形の根拠を明らかにすることが大事だ」

という言葉が大きなヒントになりました。


ノートを半分に分け、半分に模範解答、残りの半分に、思考過程を書くことにしました。

その結果、「分かるけど、解けない」というのは、

解法が複数あるときに、どの解法を選ぶべきかという判断ができないからだと気づきました。

それで、たとえば問題文に

「最大値・最小値を求めよ」

という記述を見つけたら、

・平方完成
・判別式の利用
・相加相乗平均の利用
・シュワルツの不等式の利用
・グラフの利用

などと、今まで最大・最小問題で使ったことのある解法を列挙し、どの解法を使うのがよいか、それは、なぜかということを考えて、ノートに書くようにしました。

1問の問題を復習するのにかかる時間が、それまでの2倍かかるようになりましたが、この作業をするようになって、少しずつ、講師の先生が、何を考えて問題を解いているのかが理解できるようになりました。

今までは、思考のあとの結果である解答を理解することに注意が向いていて、その解答を生み出している思考回路に注意が向いていなかったんですね。

思考回路に注意が向くようになって、少しずつ自力で問題が解けるようになりました。

季節は、すでに秋。

自分としては実力がついてきたことを実感しているものの、返ってくる模試の結果は、9月ころに行われたもので、相変わらずE判定。

焦りとストレスが原因で、咳が出るようになり、止まらなくなりました。

咳き込んで授業の邪魔にならないように、いつものど飴を口に入れながら授業を受け続けました。

咳は、入試までの半年間、ずっと止まりませんでした。

結局、京大の合格判定は、すべての模試でE判定のまま、後期の講義が終了し、冬休みに入りました。


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