誰だって勉強や仕事をやる気がしないときがあります。
偉そうなことを書いている僕にも、そういうときがあります。
学習意欲や仕事をする意欲をどうやって高めたらいいのでしょうか?
それが分かれば、自分で自分のやる気を高めることができます。
教える仕事をしている人なら、生徒のやる気を高めることができるかもしれません。
チームで作業をしているのなら、チームメイトのやる気を掻き立てることができるかもしれません。
やる気がわいてわいて、朝起きるのが待ち遠しい!という状況を自分で作り出すことができたら・・・
毎日、エネルギーに満ち溢れて、時間が進むのがゆっくりに感じられるほど、集中できている状態を作り出せるとしたら・・・
やる気に満ちた毎日を1年間送ることができれば、すごい成果を生み出すことができそうです。
学習意欲については、様々な研究がされています。
その中でも有名なのは、ARCSモデルというもの。
聞いたことありますか?
ジョン・ケラー という人が、やる気が出る要因を次の4つに分類しました。
注意(ATTENTION)
関連性(RELEVANCE)
自信(CONFIDENCE)
満足感(SATISFACTION)
4つの頭文字をとって、ARCS(アークス)モデルと呼ばれています。
フィズヨビの講義は、10年以上の試行錯誤によって改善されてきたもので、ARCSモデルを使って設計されたものではありません。
でも、ARCSモデルに照らして考えると、どのようにしてやる気が出るような仕組みになっているのかが分かりやすいです。
まず、僕の授業は、「変なたとえ話」から始まることが多いです。
「運動方程式は先割れスプーンみたいなものです。」
「通信添削Jet会というものがあったと考えてみましょう。」
という具合です。
これは、受講者の注意(ATTENTION)を引きつけるためにやっています。
「何?それは?」
と思ってもらえると、僕の話を聞いてくれるわけです。
次に、これから学ぶことがどんな意味、効果があるのかを話します。
「自然を理解するためには、どうしたらよいか?」
「無限の自然を理解可能な形へ圧縮するために、原理から法則へと展開する法則体系を作るんだ!」
という話は、物理を学ぶ意味についての説明です。
これからやる問題と物理学の壮大なストーリーとの関連性(RELEVANCE)が分かることでやる気がわいてきます。
さらに、そのストーリーをたどりながら、基本的な問題を一緒に解きます。
その問題が、すっきりと解けることで、
「物理が苦手な自分でも簡単に解けた!」
という自信(CONFIDENCE)がわいてきます。
その結果、自分で問題演習を行って成果が出てくれば、自分の努力と成果に対して満足感(SATISFACTION)が生まれてきて、さらにやる気が増していくと思います。
ARCSモデルに照らすことで、授業の各要素がどのような働きをしているのかを自覚することができて、さらに、その働きを強めるためにどのような工夫をすればよいのか考えやすくなりますね。
これは、授業によって学習者のやる気を出すという例ですが、自分で自分のやる気を出したいときはどうすればよいでしょうか?
僕自身は、やる気が出ない場合、「自分のやっていることの意味」について考えるようにしています。
関連性(RELEVANCE)
に注目するのです。
それが、自分の人生にとってどのような意味があるのか?
それがうまくいけば、どのような道を切り開くことができるのか?
ということを考えるのです。
そして、もし意識の深いレベルで納得することができたら、使命感が生まれてきて、フツフツとやる気が湧いてきます。
やる気が出ないことで悩んでいる人がいたら、ちょっと立ち止まって、自分の人生における関連性について考えてみてはいかがでしょうか。
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ARCSモデルで考える「やる気」を出す方法
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