田原です。
こんにちは。
センター試験まであと9日。
前回の記事で、直前期には「心のスイッチ」が入り、火事場の馬鹿力モードに入りやすいということを書きました。
いかがですか?
普段よりも集中して勉強ができていますか?
不安や焦りがあると、行動が目的に向かわずに、別の方向へ向いてしまうことがあります。
勉強しようと思っても、頭の中に「失敗」のイメージが浮かんでしまうと、そのイメージから生じる不安との戦いになってしまい、勉強に手がつかなくなってしまいがちです。
そうすると、大きな成果を生み出す可能性のあった時間が、何も生み出さないままに過ぎ去っていくことになってしまいます。
不安のために勉強が進まないということが、さらに不安を増幅します。
こうなると悪循環に陥ってしまいます。
皆さんの中には、そんな悪循環に陥っている人はいませんか?
実は、僕も、これまでに何度か、そういう悪循環に陥ってしまったことがあります。
一番最近では、「物理をこれから始めたい人のための科学史・数学」を執筆していたときに、その状況になりました。
専門家ではない自分が科学史をテーマに本を書くということになり、いざ執筆を始めると、急に自信がなくなってしまったんです。
その状況で書いた原稿を見直すと、まったく魅力のないものになっていて、それを読んで、さらに自信喪失・・・。
すっかり書けなくなってしまいました。
締め切りは、刻一刻と迫ってくるし、精神的にかなり追い詰められた状況になりました。
それで、どうやってそこから抜け出したか・・・というと、まず、自分が何を恐れているのかを分析したんですね。
そうすると、自分が勝手に心の中に作り出した「自分を非難する専門家集団」というものがいることが分かりました。
「彼ら」は、
「それは、学会で否定されている!」
「それは、史実に基づいていない!」
など、いろいろなことを言ってくるわけです。
その声に押されて、すっかり小さくなってしまい、心が守りに入り、つまらない、当たり障りのないことしか書けなくなってしまっていたのです。
そこで、「彼ら」にはなくて、僕にある「強み」について考えることにしました。
それは、科学史に対して「新鮮な気持ち」を持っているということです。
つまり、「彼ら」が遠い昔に忘れてしまっている
「科学史ってすごーーーい!おもしろーーーーい!」
という気持ちを、今まさに感じていて、それをそのまま伝えることができるわけですね。
そう考えて、ようやく、「自分が出来ること」を見つけることができました。
当時の僕は、
自分が出来ないこと(専門的な知識に基づいて本を書くこと)について、出来ないと思い悩んでいたわけです。
その後、自分が出来ること(新鮮な気持ちで、何が面白いかを書くこと)を見つけることができました。
自分が出来ることが見つかると、不思議と心が落ち着いて、やるべきことに集中できるようになりました。
つまらない原稿を捨て、最初から書き直しました。
寝食を忘れて資料を読み漁り、書きまくりました。
今のみなさんにできることは何でしょう?
みなさんに出来ないことは、合格を確定することです。
当たり前ですね。
まだ試験を受けていないんですから。
だから、合格することによって、不安を打ち消すということは、無理なわけです。
では、出来ることはなんでしょうか?
それは、あと9日間、ベストを尽くすことです。
「この1週間、勉強が手につかなかった・・・」ということを後悔する人もいることでしょう。
でも、もし今日、気持ちを切り替えることができて、残りの9日間に精一杯のことをすることができたとしたら、あなたは、自分の不安と付き合う方法を見つけたということです。
それは、一生役立つ気づきです。
センター試験の点数なんかとは比べ物にならない、あなたにとって、今後、ずーーーーーーと役立つ財産になります。
僕たちは、不確定な将来に対して、今を生きているので、どうやったって不安は付きまとってきて、「今」を侵食してきます。
そのとき、どうやったら「今」を充実させることができるのか。
これは、受験が終わっても、ずっと付き合っていく問題ですし、何かをやり遂げるためには、この問題と折り合いをつけなくてはなりません。
みなさんが、今、対面しているのは、そういう大きな問題です。
もし、ここで自分なりに折り合いをつけて、受験を乗り切ることができれば、それは、すばらしいことだと思います。
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不安と焦りで勉強が手につかない
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