田原です。
こんにちは。
僕は、普段、高校の教科書とかチェックしません。
見たとしてもパラパラとめくるくらい。
教え方の参考にしたことはありません。
だって、直接、入試問題を見ればよいですから。
それを見れば、実際にどんなテーマが、どんな風に出題されているのかが分かるので、教科書を見る必要がないんです。
そんな僕が、ちょっと気になって教科書について調べてみました。
というのも、最近、海外の教科書について調べることが多いんですが、日本の教科書の3倍くらい厚いんですよね。
そして、誤植とか、ちょっとした間違いがたくさんあります。
シンガポールの90%の学校で採用されている教科書をパラパラめくって読んだだけで、5箇所くらい間違いを見つけました。
例題の問題文を読んでも、模擬試験作成になれた僕にとっては、
「この文章、甘すぎるよ。クレームくるよ。」
と言いたくなるような表現がたくさんあります。
正誤問題で、
問 : 摩擦力は、移動する向きの反対側に働く。
センター試験なら、重ねた2物体の上側の物体について考えて、摩擦力によって移動する場合もあるから「間違い!」とするところですが、シンガポールの教科書では、おもいっきり「正しい」なっていました。
なんで、こんなゆるいのかなと思ったら、それは、教科書検定がないからなんですね。
日本なら、検定の段階で一字一句チェックされるので、単純な誤植なんて、ほとんど起こりえませんし、表現についても、細かく修正されます。
調べてみたら、教科書検定がある国は、
日本、ドイツ、中国、韓国など少数
アメリカ、イギリス、フランス、スウェーデン、オーストラリアなどは、検定がありません。
民間の出版社が自由に教科書を作って、教師が自分の教え方に合ったものを選んで使うんですね。
そもそも教科書を使わない教師もたくさんいます。
だから、そもそも厳密な意味での「範囲」というものは存在しません。
授業では、たびたびリサーチの宿題が出され、自分が思う存分調べてきたことを書いて、そのできばえに対して、教師からほめられるのです。
いくらでも、自分で学ぶことを広げていくことが許されていて、しかも、それが奨励されているんです。
この点は、日本は大違いですね。
日本の場合、学習指導要綱に沿って教科書を作ることを求められ、そこから逸脱すると、検定を通ることができません。
そして、一番問題なのは、
「余計なことを教えるな」
という姿勢が貫かれている点です。
「参考」や「コラム」という形でも、学習指導要綱に含まれていない内容は、削除依頼を受ける場合が多いそうです。
さらに、
出題範囲がきっちり決められ、その範囲の中で、大学受験という競争を行う。
というルールの中で勉強するので、受験に関係ないことをやるだけ損をするということになりますよね。
なんか、調べれば調べるほど、怒りがこみ上げてきて、最後には、悲しくなりました。
好奇心が生まれるままに、自分でいろいろ調べたり、考えたりしていく態度は、学びの基本中の基本だと思います。
それが、推奨されるどころか、芽が摘まれていく仕組み。
まだ学校で習っていない漢字だからという理由で、知っている漢字を書かずに、わざとひらがなで書く子がいたりするという話も聞きます。
習っていない漢字を書くと、バツにされたり、ひどい場合には怒られるそうです。
なんで怒られなくちゃならないんでしょう。
ほめられてしかるべきです。
こういう中でずっと育ってくると、「範囲」か「範囲じゃないか」をすごく気にして、自分の自由な学びに自分で制限をかけるようになってきます。
でも、範囲とか、範囲じゃないとか、本来は学ぶことに、まったく関係がないです。
まーーーーーったく、関係ないです。
学ぶことに、範囲なんてそもそもありません。
僕は、教科書を参考にしません。
仕事上、大学入試の問題を解けるようになるという最低限の責任を果たした上で、高校生が使える数学などの知識を使って、物理をどれだけ面白く学べるかということだけを考えています。
結果的には、それが、高校の教科書のガイドラインからは、外れています。
高校物理に微積分を使うのは、ガイドラインから外れるそうです。
微積分は、高校2年生の2学期に習うので、高校2年生の1学期に習う物理には、微積分を使っちゃいけないんだそうです。
そんなルールはおかしいので、破っています。
正確に言うと、そもそも従う気がないので、ルールブックを読んでいません。
だから、破ろうとしているわけではなく、結果として破っているということです。
ルールから離れると、高校物理が見違えるほど面白くなります。
僕が「単振動ゼミ」で扱っている解法は、高校のガイドラインからは外れています。
でも、あなたには理解できるし、楽しめると思います。
僕は、それでよいと思います。
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