田原です。
こんにちは。
僕が予備校講師になったのは13年前。
その頃は、目の前の生徒に大学に合格してほしいということで、頭がいっぱいでした。
合格点を取るために、どのように教えたらよいのか?
そればかりを考えて、授業を工夫していました。
そしてたどり着いたのが、
「はじめて見る問題をスラスラ解けるようにする教え方」
です。
この結果、生徒の得点力を、高い確率で上げられるようになりました。
それを達成できたことで、物理教育をもっと広い範囲で考える余裕が出てきました。
その1つのきっかけは、「雑談」でした。
僕は、授業の途中で、5-10分の雑談を入れていました。
単なる面白い話から、最新の科学のネタまで、いろんなことを話していました。
そうすると、その雑談から刺激を受けて、将来やりたいことを見つける生徒が出てきました。
将来やりたいことが見つかると、大学へ入る目的が明確になって、勉強のモチベーションが急上昇します。「スイッチが入った」状態になるのです。
結果として、成績も伸びていきます。
これらの経験を通して、将来やりたいことを見つけるヒントを与えることも、大切なことだと思うようになりました。
もう1つのきっかけは、僕自身の働き方の変化でした。
フィズヨビをさらに進化するために「反転授業」について学び始めました。
Facebookグループ「反転授業の研究」を作り、一緒に学ぶ人を募ったところ、メンバーがどんどん増え、先日、2000名を突破しました。
そこで、いろいろなコラボレーションが起こり、チームを組んで仕事をすることが多くなりました。
それぞれが得意技を持ち寄って組み合わせることで、一人ではできない価値を創造することは、とても楽しいです。
一人では続けられないことも、チームだと継続できます。
シンガポールの高校を見学に行ったり、
アメリカの高校の先生にスカイプでインタビューしたり、
英語をツールとして使う機会も増えました。
シンガポールの高校と日本の高校を結んで、Google Hungoutで相談しながら一緒にプログラミングをするという企画もやりました。
今、世界はオンラインでつながっているので、英語をコミュニケーションツールとして使えると、海外の人とコラボすることができるようになり、さらに、いろいろな価値を創造できるようになります。
今、僕が実際に見て、感じている「世界」を伝えることで、もしかしたら誰かの心に火をつけることができるかもしれないと思うようになりました。
「スイッチの入った状態」の人が見せる信じられないようなエネルギーを、これまでに何度も見てきたので、そのきっかけを与えられればと思っています。
今、起こっていることを一言でいえば、「見えない壁」が次々と崩壊しているということです。
MOOCsは、大学に独占されていた「知」を解法しました。
英語をツールとして使えれば、一流の大学教員の授業を無料で好きなだけ受けることができるようになりました。
同じ講義を受けている仲間と、FacebookやGoogle+でつながって、ディスカッションしたり、教えあったりすることもできます。
もう、そういうことが当たり前に行われています。
きっと、MOOCsで出会った人たちがチームを作り、価値創造をしていくという流れも今後出てくると思います。
教育以外でも、見えない壁の崩壊は進んでいます。
先日、株式会社鳥人間代表の久川真吾さんという方のプレゼン動画を見ました。
彼は大学時代に鳥人間コンテストに出場するために人力飛行機を作っていて、それを、会社の名前にしています。
夫婦二人だけの会社で、いろいろな装置を製作しています。
彼ら夫婦のアイデンティティーは「ハッカー」。
世界に存在する見えない壁を、次々に壊していきます。
世界中に「ハッカースペース」というハッカーが集まる場所があり、それらは、互いにネットでつながっています。
そのネットワークの中で、生物の教師が、
「DNAコピー装置があれば、いろんな面白い実験ができるんだ。でも高価すぎて、学校では購入できないんだ」
という相談があり、それを聞いた久川さん夫婦は、それを作ることにしたのだそうです。
通常なら40-100万円する機械を、久川さん夫婦は、インターネット上のオープンソースソフトや
オープンソースハードウェアを利用して制作し、98,000円で販売しはじめました。
NinjaPCRという名前のDNAコピー装置は、一部の研究機関だけで独占されていた「DNAの実験をするチャンス」を開放しました。
今後、ここから、様々なイノベーションが生まれる可能性があります。
久川さんのプレゼン動画(モチベーション上がりますよ~!)
みなさんも、今、世界で起きていることを、ぜひ、理解してください。
そうすると、一人でもすごいことをできる時代がすでに始まっていて、すでにすごいことをやっている人たちがいるということが分かるはずです。
さて、こういう時代に活躍するためには、どんな力が必要なのでしょうか?
大学の名前などは、どんどん通用しなくなってくると思います。
これから重要になるのは、
(1)広くリサーチする力
(2)自分を表現し、相手を理解するコミュニケーション力
(3)チームを作って価値創造する力
などです。
前提として、英語をツールとして使うスキルも不可欠です。
これらがあれば、必要に応じて、必要なものを学びながら、自分がやりたいことを実現することができます。
こういう力の重要性を、心の底から実感しているので、フィズヨビのライブ講義にも、これらの力を伸ばす要素を入れています。
フィズヨビのライブ講義では、
(2)自分を表現し、相手を理解するコミュニケーション力
を、参加者のみなさんに求めています。
・質問すること
・説明すること
これを通して、自分と相手を理解できます。
そして、このような学び方をすると、一人で学ぶよりも、物理に対する理解が深まります。
さらに、(これが重要なのですが)、みんなで学ぶと楽しいのです。
ライブ講義に参加してくれた人は、口をそろえて、「楽しかった」「あっという間に時間が過ぎた」と書いてくれます。
その体験が、すごく大切だと思っています。
まだ、一度もライブ講義に参加していない人は、大きなチャンスを逃しています。
・なんか怖い
・間違えたら恥ずかしい
という心配は無用です。
ライブ講義は、
「間違いを恐れず発言する」
ということが称賛されるルールで行うセッションです。
どんどん間違ってください。
そして、間違っても大丈夫だということを確かめてください。
ライブ講義は、明日です。
活躍するために、予習してくださいね。
夏期講習Part2はこちら
※8月7日までの限定公開です。
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見えない壁が次々と崩壊する社会で何を学ぶか
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